平成28年3月31日で仕事を辞めた。定年退職後の5年再雇用の契約だったが、あと1年を残して辞めてしまった。経済的な損得で言えば明らかに損だ。女房にはいろいろ文句を言われた。また、周囲からは何かやりたいことがあるのですかとよく聞かれたが、そんなものは無い。生きるために生きてきただけで、別に何かをやりたいがために生きてきたわけではない。生きる手段として仕事を持ち、家族を養い、子供を育て、両親を見送り、仕事をやめた。あとわしが死ねば1つのサイクルが完結することになるが、さていつのことか。
去年叔父が亡くなったときに叔母から面白い話を聞いた。うちの一族は癌にならなければ94歳まで生きる長生きの家系らしい。そういえばわしの親父も94歳で死んだ。祖母も、親父のいとこ連中もみんな94歳らしい。この話をしてくれた叔母は88歳というので、よせばいいのに「それでは叔母さん、あと6年しかないがな。」と思わず言ってしまった。さすがに少しにムッとしていた。どうやらもっと生きる気らしい。
3月で辞めたのはこの話が関係している。64歳で辞めれば丁度あと30年になる。今しかないと思った。わしはずっと集文館の3年手帳を使っているが、その4月1日の項目に10950と記入しておいた。365*30で94歳までのおおよその残日数だ。今日5月3日は10918、すでに33日過ぎている。
過去を振り返り、先を見通し、現在を生きる。残された日数すべてを価値あるものとできればいいが、たとえ結果的にそれらが無駄であったと感じたしても一向にかまわない。無駄であるなら精一杯無駄に生きればいいだけだ。
あと0日になるまでじっくり見ていきたい。