無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10867日

 去年の11月あたりだったが、日本酒を飲んだあと軽い喘息の症状がでた。その後は日本酒だろうがビールだろうが飲むと必ず出るようになり、それ以来現在に至る迄、酒はほとんど飲んでない。酒の種類を問わずでるのだからおそらくアルコールが原因なんだろうな。わしはそんなに飲む方でも無いんだが、やはり夏になるとビールが飲みたい。そこで、医者嫌い、薬嫌いではあるが薬をのんでみようかと思うようになった。背に腹は代えられん。まずは検査だと思い、息子の勤務している病院を尋ねて様々な検査をしてもらった。結果は完璧な喘息だった。息子にも、ほっとくと苦しんで死ぬ事になるよと、さんざんいわれてがっくりきたよ。死ぬときは楽に死にたいからな。

 わしは13歳迄小児喘息で苦しんだが、その当時は薬がなくて、発作が起きてもどうすることもできなかった。小学生のころになってマルピー日本製薬というところから、セダンゾールイソとかメジヘラーイソとかいう吸入剤が発売されて、発作から解放されたんだが、吸入すると心臓がバクバクしだすんだな。子供心にこれは怖かったな。それでわしは口にくわえて吸入せずに、まず空間に噴射し、そのほんの一部だけをすっと吸い込むようにした。これでも効果はあるし心臓に異常もなかった。後に親に聞いたんだが、自衛隊員の奥さんで、心臓発作で亡くなったかたがおられたそうだ。わしは独自の方法をとったので死なずにすんだのかもしれんな。薬嫌いというのもこのことがトラウマになっているのだと思われる。

 最近はいい薬もあるらしいし、60年前のようなことはないだろうと思うが、楽しくビールを飲むためなら毒でもくらうぞという心意気で治療に励めと自分を奮い立たせている。ビール無しで夏を過ごすなんぞ考えられんからな。