無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10777日

 11月までに古事記神代巻100回読むという目標はどうも達成できそうもないようだな。今、21回目を読んでいるが、今回は暗記してみようと思い、読む速度を落としているんだが、64歳にもなると脳が萎縮しているのか、若い頃のように覚えられない。まあ、時間はあるから焦る必要はないとはいえ、劣化ぶりにちょっと驚いている。

 わしは、21歳の時、海技免状を得るため国家試験を受けたんだが、1ヶ月で過去10年の問題を丸暗記したことがあった。9月に学校を卒業して10月に試験があったんだが、当時はグレード別に甲種、乙種、丙種と分かれており、外航船で士官になるには甲種が必要であった。その中も機関長、一等機関士、2等機関士とわかれていて、必要なのは一等機関士筆記試験合格だった。これが入社試験代わりということだったんだな。

 わしは10月の試験で一等機関士筆記試験は無事合格したんだが、わしの勉強法はとにかく過去問の暗記で、先に書いたように一ヶ月で過去10年間の問題を丸暗記したというか、当時はできたんだな。試験本番でもこの問題は何年何月の試験にあったなとわかったくらいだから、我ながらたいしたもんだと思ったよ。しかし、船乗りはあっさり辞めてしまったので、この資格もほとんど役にたたなかったな。

 そこで古事記だが、

 天地の初発の段

 天地の初発の時、高天原に成りませる神の名は天之御中主神高御産巣日神神産巣日神。此の三柱の神は、並独神成り坐して、身を隠したまひき。

 次に、国稚く浮脂の如くして、くらげなすただよへる時に、葦牙の如萌え騰る物に因りて、成りませる神の名は、宇麻志阿斯訶備比古遅神、次に、天之常立神。此の二柱の神も独神成り坐して、身を隠したまひき。

 上の件五柱の神は、別天神

 この段がすらすらでてくるまでに1時間以上かかった。単なる試験問題と違って、これは、一語一語言葉に重みがあり、すらすらと声を出して暗誦するのに時間がかかるのは、脳の萎縮だけが原因では無いのかもしれんな。