無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10710日

 わしは昔からゲームとかはあまりやらなかった。少しだけやるとすぐに興味を無くすんだな。強くなれば面白いのかもしれんが、そこまでやらないので、たいていは弱いままでやめることになる。将棋は兄貴と同時に、百科事典で駒の動かし方を覚えることから始めたんだが、わしは駒の動かし方を覚えただけで終わったが、兄貴は古本屋で将棋一年生という本を買って来て没頭しとったな。それでめきめき腕を上げて、すぐにわしなんか全く歯が立たなくなった。麻雀なんかはルールを覚えて少しはやるんだが、しばらくやらないと完全に忘れてしまって、また一からやり直しになるんだからよっぽど向いてないんだろうな。

 うちの二男が小学6年生の10月頃、ひかるの碁という漫画をみて囲碁を習いたいと言い出したことがあった。結局近所に住んでいた、わしの母親の亡くなった姉の旦那さんが、教えてくれる事になった。この人はやもめ暮らしで家は汚かったが、囲碁歴50年以上という有段者で、わしが週二回程、夜に連れて行く事になった。すると中学3年で受験生の長男も行きたいと言い出した。3ヶ月くらい通ったかな。わしも含めて3人で伯父さんの講義を聞いたんだが、一番腕をあげたのが長男で、これには伯父さんも驚いていたな。次が二男で、わしはさっぱり上達しなかったな。最後は囲碁三昧の長男を受験生にもどすために、受験勉強があるからといって講義は終了してもらった。

 長女はやらないが、長男二男はファミコンやプレステやワンダースワンなんていうのもあったような気がするが、学校から帰ったら必ずやっていたし、どうやら2人とも今でも家でやっているようだ。ゲームなんかやっても、わしにとっては時間の無駄だと思っていたんだが、この間、大阪で叔父の家に泊めてもらってちょっと考え方が変わったんだな。叔父はゲームが好きで、仕事を辞めてから20年程スーパーファミコン三昧の生活をしているらしい。わしが泊めてもらったときも昼間ずっとやっていたようだし、朝食前にもピコピコ音がするので部屋を覗いてみると、麻雀ゲームをやっていたな。老化防止にゲームがいいということは以前から言われていたが、この叔父をみていると、それが正しいということがよくわかった。

 とにかく計算が速いし、漢字も忘れてないし、わしが持って行った写真を見て、何歳の時の写真だと即座に言い当てたからな。足は弱っているが、頭は91歳とは思えなかったな。ただ、スーパーファミコンしかできないので、壊れたら困るから中古の予備機を一台、娘が買ってあるらしい。うちにも長男がわしのボケ防止のためだといってプレステ2とゲームソフトを置いていってあるんだが、わしも始めてみるかな。