無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10595日

 新しくIDやパスワードを作った時には、必ず別の専用のノートに記入して、そのノートを安全に保管するようにしていたんだが、一昨年の夏くらいから、1Passwordを使うようになった。ネット上の一カ所に全部を記録するのはどうかなとは思ったが、わからんことを心配してもしようがないし、多くのユーザーがいるようだから、そこらあたりのことはきちんとやっているんだろうと信じて、安売りのときにウィンドウズ用を購入した。

 使ってみるとこれは非常に便利だった。必要なパスワードだけでも30以上はあるから、それらを全部違ったものにして、何ヶ月かに一回変更することは簡単ではない。1Passwordを使うと、パスワードを覚えたり、キーボードで打ち込んだりすることがないので、どんな複雑なパスワードでも可能で、変更も簡単だし、専用ノートもいらなくなった。ところが、最近この便利さに落とし穴があることがわかった。わしらみたいなじじいが使っていると、新しくIDやパスワードを作っても、あとから1Passwordに登録しようと思って、やっているうちにそれを忘れてしまうことが時々ある。以前ならすぐにノートに記入してたので、忘れる事はなかったんだが。

 この間、クレジットカードのマイページのID、パスワードを作って、そこで引き落とし口座の変更手続きをした。翌日になって、ETCカードも作ろうと思い付いてマイページに入ろうとしたんだが、ID、パスワードがどうしても思い出せない。1Passwordに登録したはずだと探したが登録してない。机上の紙にメモしてないかと探してみたが、それもない。そういえば、あとで1Passwordに登録しなければと考えたことは覚えているんだが、それをしたかどうかは覚えてない。結局、どうにもならずに、カード会社に連絡してID、パスワードを忘れた場合の手続きをとらなくてはならなくなった。

 いくら有能な1Passwordでも、こちらが登録しないと役に立ってはくれない。何とも情けない話なんだが、こんなことが続いたらたまらないので、机の前に大きく『ID、パスワードを1Passwordに登録すること』と張り紙をしておいた。