無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10535日

 犬の花子は小太郎より2年半遅れて、2009.11.21に我が家にやってきた。二男も大学生になって、家を出たので、女房も以前の仕事にもどって働くことにした。しかし、 そうすると昼間は小太郎だけになるので、それでは可哀相だから、もう1匹犬を飼おうかと女房が言い出した。わしと長女は、飼っても良いんだが、一度飼い始 めるとそれから十数年は責任を持たなくてはいかんので、もうちょっと様子をみて考えようということにして、この話はこれで一応終わりになっていたはずだった。

 それから暫くたった或る土曜日、何かの用があって、長女と三人で町にでたときに、女房が「そういえば新しいペットショップが商店街にできたらしいね。」と言い出した。最近テレビでも紹介されて、話題になっていることはわしも知っていたが、その店がちょうど帰り道にあるので、買わないけど、ちょっと寄ってみようかということになった。

 件のペットショップは、間口2間くらいの狭い店舗に、ケージが所狭しと積み上げられていて、あまり感 じのいい店ではなかった。中に、ミニチュアダックスは4匹いて、全部兄弟ということだった。そのうち3匹は写真に出てくる様な、いかにもミニチュアダックスといった雰囲気だったが、1匹は格好もよくないし、なんかボウッとした感じで、おどおどしていた。店も売れないと思っていたんだろう、値段も31000 円で格安だった。わしらが見ている間に格好の良い、兄弟の2匹は次々と買われていった。

 女房はそのボウッとした犬をケージから出してもらって、抱き上げていたが、あまり世話もされてないようで、匂いが強烈だった。そのうちに女房はその犬に「うちに来る?」と話しかけていた。小太郎と性格が合いそうな気がしたし、わしらが買わなかったら、たぶんこの犬は売れないだろうと思ったので、その場で3人で相談して、急遽購入を決定した。こうして花子がやってきたんだが、痩せてしまって肋骨が見えていたし、 警戒して絶対腹をみせなかった。ミニチュアダックスにしては骨格が少し大きかった。大きくなると売れなくなるので、食べさせてもらえなかったのかもしれない。警戒しているということは、今まであまりかわいがって貰えなかったということなんだろう。そんな花子も、一週間程してやっと腹を見せるよう になり、わしらにも、小太郎にも馴染んで来た。

 5年ほど前に突然後ろ足が立たなくなった。刺激は感じているので、いつかは動くと獣医さんも話していたが、幸いな事にそんなに長引く事無く、一週間位で歩けるようになった。女房は、おしっこ垂れ流しのなか、紙おむつをした花子を抱っこして寝ていたから、これはちょっと真似できんなと感心した。臆病なのでとにかくよく吠えるが、自宅警備にはちょうどいいくらいだろう。あと10年たらずだろうが、元気に寿命を全うする事を祈るばかりだ。

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