無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10476日

 うちは、ネット接続は今だにNiftyADSLなんだが、それを知ってか知らずか、よく、光に変えないかと、勧誘電話がかかってくる。どこで電話番号を手に入れたのか知らないが、「NTTの方から来ました。」みたいな言い方で、いかにもNTTらしく話して来る。会社名もボソボソ言うのでよくわからない事が多い。そういう時は何回も聞き返す事にしている。そしていつも、話は次のような会話で終了している。「光が以前より安くなったという事はわかりましたが、うちでは今、月2000円のADSLを使っています。それより安いんですか?..............え?安くない?では、安くなったら連絡してください。」

 格安スマホも200円割り引きがあるので、Niftyのニフモを使っている。電話はほとんどかけないが、かける時は6秒2円のブラステルを使っている。これはプリペイド式なので、サークルKファミリーマートでNTTスマートピットに入金しなければならない。残り25円になったので、入金しようと思って、昼食後、暑い中を近くのサークルKまで出かけた。この店で何回も入金したことあるので、まさかこんなに面倒なことになろうとは、想像もしなかった。

 店に入ると、若い女性の店員さんが呼んでくれたので、その前に行って、ブラステルカードを見せて、2000円入金したいと告げた。いつもなら、ピッとバーコードを読み取ってお金を払って終了するんだが、その人はじっとカードを見つめて、首をひねり始めた。そして「これは何のカードですか?」と聞いて来た。「書いてあるとおり、国際電話カードですが、スマートピットで入金できるはずですよ。サークルKでできると書いてある。」こういうと、レジをカチャカチャ叩いてみたが、わからないらしい。そこへもう1人の年配の女性がやってきた。

 わしもこれで判るだろうと安心したんだが、なんと、その人もわからないみたいだ。レジを叩いて出したのが、交通系カードという表示で、わしのブラステルカードをそれに一生懸命タッチしていたので、「これは交通系カードではありませんよ。」と指摘すると、ちょっとむっとした様子だった。すると今度は店に備え付けの、チケット購入したりする機械の前に連れてこられて、「レジではできません。以前来たとき、先にこれを使って支払ったのではないんですか。」と、前よりちょっと強い調子だった。この店員さん、少しいらいらしてきたようだ。

 わしも少々面倒くさくなってきた。「いやいや、前はレジでバーコードをピッと読んで、2000円支払ったら、簡単に終わりましたよ。」と答えると、もう一度レジの前に行って考えていたが、結局ギブアップしたんだろう「これについてはマニュアルにも出てないので、ここではできません。また調べておきます。」と言っていた。何か、ここではできない、自分に落ち度は無いということを、主張しているような言い方で、あまりいい感じはしなかった。

 コンビニの店員さんもやることが多いので、知らない事があっても、わしは何とも思わない。しかし、知らないなら知らないでいいから、素直に謝っとけばいいのに、とは思ったな。店を出て、300m程離れたファミリーマートに行こうと思って、自転車を出していると、さっきの店員さんに呼び止められた。マニュアルでも見つかったんだろう、やっと方法がわかったらしい。レジの前で20秒で完了した。すみませんと謝ってはいたが、自分のせいで、客に迷惑かけたんだから、これは当然だろう。欲を言えば、その時に愛想笑いでもいいから、ちょっと表情を緩めればいいのに、不機嫌そうな顔で言われてもな。