無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10473日

 今日から1泊2日で、亭主が職場の旅行で東京に行ったので、長女と孫2人がうちに泊まりに来る事になった。長女は運転免許は持っているし、ペーパードライバーでもないが、運転が嫌いなので、来る事はいつもわしが迎えに行っている。昨夜、その話を女房としたとき、それでは明日、迎えに行った後で、一緒にショッピングモールに行って、みんなで昼ご飯を食べようということになっていたんだが、朝起きると、そのことをすっかり忘れてしまっていた。

 朝10時が近くなって、孫等を連れに行くだけだからいいだろうと、Tシャツ、短パン、サンダルという格好で出かけた。女房が頻りに、ヒゲ位剃ったらどうかとか、そんな格好で行くのかとか言うので、子供の家に行くだけなのに、おかしなことを言うなあとは思っていたんだがな。さて、娘や孫を乗せて、出ようとすると、方角が違うのに気が付いた女房に、どこに行っているのかと指摘された。そこでやっと、昨晩話した、ショッピングモールの件を思い出した。しかし、今更家まで着替えに帰るわけにもいかんので、そのままで向かった。若者ならどんな格好をしても様になるが、じじいのラフな格好なんか、見苦しいだけだな。

 単なるど忘れか、ボケの始まりかどうか知らんが、確かに忘れっぽくはなった。老化なんだろう。更にそれに喘息が追い打ちをかけて来た。一昨年の12月頃、お歳暮に1合瓶に入った、全国の有名な地酒のセットを貰った。それが旨いので、喜んで毎晩飲んでいたら、ある日突然呼吸が苦しくなってきた。それ以来、日本酒といわず、ビールでも、焼酎でもウィスキーでも、飲めば必ず症状がでるようになり、酒もほとんど飲めなくなってしまった。夏は、晩飯の前に飲むビールが楽しみだったんだが、なんか寂しい。

 今日も娘等と話していて、わしが酒が飲めんようになった、という話になった時、女房が「そういえば、お父さんは、好きな焼酎が飲めなくなったら終わりだと、よく言っていたけど、本当に最後の1〜2年は飲めなくなったね。」と言った。ちょっとドキッとしたが、残念ながら、わしは親父ほど酒が好きではないので、酒量と寿命に関する、親父の法則は、わしにはあてはまらないだろう。