無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10442日

 お盆が終わってから、あまり楽しく無い日々が続いている。別に何があったと言う訳ではないが、いつもどおりの生活に、満足感が感じられない。生活の中に点在する、ちょとした何かが、心の片隅にひっかると、全体が引きずられるということは、今までに何回も経験している。今回もそれだと思って、昨日から、それが何かを考えているうちに、今朝になって1つだけ浮かんで来た。もしそれだとすると、実にくだらないことだが、人の心の動きというものは、かくも敏感で愚かなものかと、驚かされる。普通の人は、仕事や忙しい毎日生活の中で、気にもならない事だろう。

 今年の2月に、女房の母親から、利益折半でいいから、ANA株主優待券10枚を、売るように頼まれていた。そのうちの5枚だけが先に売れて、あとの5枚は、もう暫く置いといて、値上がりを待つ事にした。そして、そのまま忘れてしまった。という顛末で、そのことを、お盆の前になってやっと思い出した。あわてて相場を調べてみると、なんと、1枚あたり500円以上安くなっていた。

 更に追い打ちをかけるように、このサイトの終了案内のメールが届いた。出品数が少ないから、これで儲けがでるのかなとは思っていたが、こんなに早く終わるとは。その前に、もっと値段を下げて売るか、別のサイトを探すか、お盆の頃に深夜1時過ぎまで考えたことがあった。要は売ればいいだけのことで、よしんば、売れなかったところで、別にわしが損するわけではない。些細な事だと、冷静な自分は、よくわかっている。しかし、それでは済まさない自分もいる。

 毎日仕事でもしていれば、どちらの自分も忘れることができるが、今のわしは、一日中、その自分につき合うことができる、というより、つき合わされるというほうが正しい。その結果、この二つの意識の相克が、この引っかかりの原因だろうと気が付いた。なんともまあ、大仰な話になってしまったが、何事にも原因と結果があり、ちょっとした心の変化にも、当然因果関係があるはずだ。

 あと10784日で書いたように、実験漂流記ならぬ、実験ひきこもり中のわしにとっては、引っかかりがあれば、確認して取り除かなければならない。今回に関しては、株主優待券を売れば解決することだから、話は簡単なようだが、さあ、どこで売るか、メルカリで売るか、いずれにしても新しいところを利用するのは、新たなストレスになる。こんなこと、初めから引き受けないのが一番いいんだが、売れたら半分あげるという一言に、わしの持っている『欲』が見事に吸い寄せられたということかな。さっさと終わらせて、一日も早く、平穏な日々に戻りたい。