無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10417日

 2年ほど前から家で酒を飲むと喘息の症状がでるようになって、楽しみが一つ減ってしまった。ビールでもコップ一杯でしんどくなって飲めなかった。ところが不思議なことに、外へ出て友達と飲むときは全くでない。気持ちの問題もあるのかなと、勝手に納得していた。しかし長男からは検査結果をみると、完璧な喘息、それも重症の喘息だということで、去年の5月くらいからアレルギーの薬プランルカストと、吸入剤のシムビコウトを処方されていた。

 わしは薬は嫌いなので、プランルカストは服用するようにしていたが、シムビコウトは勝手にやめておいた。吸入剤は子供の頃に使っていた、メジヘラーイソを思い出すのであまり楽しいイメージは無かった。しかしこのメジヘラーイソという薬は、発作を完璧に抑えるので、喘息患者にとっては救世主だった。副作用で死んだ人もいたようだが。

 ある時女房から、わしが医者の言うことを聞かないので困る、吸入をしてないと、そのうち大変なことになるよ、というようなことを長男が言っていたということを聞いた。やっぱり状況は自覚症状以上に悪いようだ。わしもちょっと反省して、1か月ほど前から1日2回吸入を始めた。するとどうだろう、まず心臓の期外収縮が無くなった。更にうれしいことに、酒を飲んでも喘息がでなくなった。ビールでもコップ一杯でダウンしていたのが、以前のように飲めるようになった。やはり医者の言うことは聞いとくもんだと思ったな。

 昨夜は女房が友達との飲み会に出かけたので、わしもビールを飲みながらdTVで映画トランスポーター3を見たが、こんなシーンはほんと久し振りだった。元気にビールを飲めるうれしさに感動したな。それでもまあ、ほどほどにしておこう。

 わしはたばこは17歳から吸っていたが、22歳の時スッパリやめることができた。外航船の中は免税で、酒もたばこも半額くらいで買うことができる。ただ、日本船なら日本のたばこが買えるが、アメリカの船だったので、winstonとかcamelとかkentみたいなのしか買えなかった。これらはちょっと癖があって、日本人の口には合わない。そのおかげでたばこに対する興味が無くなってきて、やめることができた。しかし、今でも食後のロンピー一服の味は忘れられない。

 わしは80歳まで元気に生きることができたら、たばこを再開しようと思っている。知り合いで、わしにロンピーの味を教えてくれた人は、その後もずっと吸い続けて、68歳で肺がんで亡くなった。確かに体に悪いことは悪いんだろうが、体に悪い物ほどうまいという事実もある。てなことを女房に話したら、つまらんことを言うなと怒られた。