無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10371日

 昨夜は、女房が久しぶりに帰ってきた高校時代の友人と、近場の温泉に泊まりに行ったので、夜の9時くらいから一階のソファに座って犬の相手をしていた。小太郎も花子も女房に依存しているので、夕方からずっと、いつも女房が帰って来る勝手口の前で待っていたが、さすがに7時を回ってくるといつもと様子が違うことに気が付いたようだった。スフィンクスのように座ってじっと勝手口を見ている姿はいかにも忠犬みたいだが、本当は単なる依存症犬なんだけどな。

 2匹だけで置いておくのもかわいそうなので、久し振りにdTVで映画でも見ようかと思い、ソファに座ってFireTVのリモコンでdTVを立ち上げた。huluをやめた後、月500円で一番安かったので契約したが、500円で見えるのは限られていて、有料になっているのが結構多い。なんかhuluが懐かしくなってくる。あまり見たいのもなかったが、まだ寝るには早いので、いかにもB級の匂いがする「大脱出」というのを見ることにした。

 ところが、始まったと思うとすぐ止まる。10秒ほど映ってまた止まる。これの繰り返しで映画を楽しむどころの話ではない。ADSLなので遅いのかと思ったが、試しに側にあったiPadで見てみると、普通に見ることができるので、そういう問題ではないようだ。ただ、iPadで見えるとは言っても、やっぱり映画は少しでも大きな画面で見たいのが人情というもので、モデムの再起動をしたり、FireTVの電源を入れ直したりして、いろいろやってみたが結局だめだった。今までこんなことはなかったんだが。

 あれこれしているうちに、とうとう11時を回ってしまって、すでに小太郎花子は気持ちよさそうに寝息をたてている。こんなことなら9時に寝とけばよかった、この2時間を返してくれとテレビに向かって叫びたいような気分だった。以前ならここらで焼酎のお湯割りでも飲むんだが、喘息の症状がでるようになって以来それもできなくなってしまった。また、冷蔵庫を開けるたびに、だいぶ前に冷やしたままになっている冷酒の瓶が目について、飲んだらうまいだろうなと誘惑に負けそうになることも度々ある。

 昔から車通勤していた関係で、外で酒を飲むことはほとんど無かったので、飲まなくてもどうということは無かったはずなんだが、飲めなくなると飲みたくなるというのも人情というものなんだろうな。