無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10320日

 去年の6月にハローワークで、64歳年金受給者が雇用保険を申請すると、自己都合退職による3か月の待期期間は年金が止まるが、雇用保険給付の期間が終了すると、その3か月分の年金が返ってくると言われていた。そんなうまい話があるのかと飛びついたんだが、案の定、それほど単純なことではなかったようだ。細かな規則を職員が知らなかったのか、或いはわしが誤解していたのかしらないが、結果的には損をしてしまった。世の中、旨い話は無いということだな。

 わしはハローワークで教えられた通りの方法で手続きをして、待期期間が終わる11月から雇用保険を給付された。その給付期間が今年の3月で切れたので、3か月分の年金が返されるのを楽しみにしていた。しかし夏になり、秋になっても何の連絡もないので、電話をかけて聞いてみた。その時の経緯については、以前このブログでも書いたことがある。電話に出た女性職員は、雇用保険受給資格者証の第3面をコピーして送ってもらえれば手続きが早くなると教えてくれた。この時点で、当然返してもらえると確信してしまった。

 しかしそれから2か月たっても何の連絡もないので、3日前に、今の状況を教えてほしいと、年金相談の部門に手紙を送った。昨夜7時頃に、珍しく家の電話が鳴ったので、なにかと思ってでてみると、返事の電話だった。Tさんという、声の感じが50代くらいの人で、こんな仕事をしているんだから、年金については詳しいんだろう、わしの送った手紙の文面を読み上げた後、「○○さんの場合は、4か月分の年金が止まることによって事後清算は終わっています。したがってかえって来ることはありません。」と言った。

 ハローワークで、返ってくると聞いているし、以前におたくの年金係が雇用保険受給資格者証の第3面のコピーを送れというので送ったんだが、それはどういうことなのかと聞くと、それには答えずに、事後清算が終わっているということを繰り返した挙句、わかりませんかいうので、これにはさすがにちょっとカチンと来た。わからないから聞いている年金受給者に、事後清算とかわけのわからん言葉を使ってけむに巻くつもりなんだろう。法律家が「きょうばい」を「けいばい」と読んで、専門家ぶっているのと同じ心境なんだろうな。

 おそらくこのTさんと、電話でいくら話しても堂々巡りになったことだろう。回答は1~2週間のうちに書面で送ってもらうことにして、素人に話すときには、かみ砕いて話をしろよと思いながら、電話を切った。年金の相談員が、相談者に木で鼻をくくったような回答しかできないんでは、一体何のための相談員かわからない。さあ、どんな回答を送ってくるか楽しみだ。

 Tさんは専門家の自分が回答したことで、素人は納得するだろうと誤解しているようだが、わしが知りたいのは、専門家としてのTさんの判断ではない。その判断に至った根拠の法令なり、規則なりを示してもらって、自分で納得したいということだ。電話を切ってから、ネットで事後清算という言葉の定義から始まって、いろいろ調べてみると、確かにTさんの言うとおりであることはわかった。しかしTさんが、あの電話の説明で相手が納得すると思ったのだとしたら、それは傲慢というものだろう。素人にわかる言葉で、理路整然と説明できないなら、相談員としては失格で、他の場所へ異動してもらったほうが、本人のためにも、相談者のためにもなるのではないかと思った。