無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10173日

 今月初めに、インターネットを、ADSLからケーブルネットに変えた。料金も同じで、謳っているスピードも12MBで同じなんだが、実際のスピードには雲泥の差があった。今年の初めくらいからADSLのスピードが極端に落ちて、さらに頻繁に切れるようになった。電話がかかってくると切れるのは、ほとんど電話がかかってこない我が家にとってはご愛敬だったが、40分ほどのドラマを見ているときに何回も切れるようになると、ネットでドラマを見ようという気持ちも失せてしまう。

 ADSLもいずれは使えなくなるので、替えようと思ってはいても、高い料金を負担して、光回線を引くほどの価値も感じないし、どうしようかと考えていた時、偶然見た電気工事店のホームページにあった、今なら工事費無料という、年金生活者にはうれしい、呼び水のような言葉に引き寄せられてしまった。

 すぐに電話をして、電柱から屋内に引き込み、屋内配線や機器類、ルーターまで全部無料で費用は一切かからないということを確認後、現場の調査、ケーブルTV会社の工事、電気店の屋内工事を依頼し、2週間後には無事開通した。

 今回は1階にルーターを置いたので、2階はどうしても電波が弱くなった。そこで3日前に、たまっていた楽天ポイントで、無線LAN中継器「AC750」というのを買ってみたところ、これが予想以上の優れもので、今まで電波強度「中」だったのが「非常に強い」と表示されるようになった。双方向のやり取りをするようなゲームはやらないので、下り10MB出て、途中で切れることがなく、月1900円なら、我が家では十分だろう。これで懸案だったネットの問題も解決した。

 ストレスなくネットが使えるようになったからか、近頃では戦後作られた、日本の戦争映画をよく見るようになった。最近はとんとお目にかからなくなった戦争映画だが、昭和40年代頃までは、戦争体験者が作っていたから、時代考証なんかも比較的正確で、最近のCGを使った、派手でうるさいだけのものとは一味違う。もちろん戦闘場面は作り物とわかるが、映画自体作りものだし、わしのように、ストーリーもさることながら、バックに映るものとか、言葉、着ているもの、時代背景や戦史に興味のある者にとっては、別に作り物とわかっても気にならない。

 2匹の犬と一緒に、相槌をうったり、間違いを指摘したりしながら楽しく見ているが、それらを見ていていつも思うのは、昔は空が広かったなあということだ。40年代の光景はわしもリアルタイムで見ていたはずだが、この50年の変化に驚かされる。急激な変化はすぐに気が付くが、ゆっくりとした変化は記憶に残らないということだろうか。ああいう光景は、もう映画の中でしか見ることはできないんだろうな。