3年前に作った遠近両用メガネのレンズに曇りのようなものができて、拭いてもそれが取れないので、昨日、購入したメガネ店で見てもらった。そこは安売りのチェーン店ではなく、この地でも長年商売している、広島に本社のあるメガネのTという、しっかりとした会社の店舗だった。
12年前に初めて作った遠近両用メガネは、弐萬圓堂というなんでも二万円というのが売り物の店だったが、東日本大震災による店舗網縮小の影響で、近所に数店舗あった店は全部なくなってしまった。聞くところによると、気の毒なことに従業員は全員解雇されたらしい。
その時作ったメガネは今でも問題なく使えるから、2万円は良心的な価格で、いい商品だったのではないだろうか。そんなこともあって、昨日メガネのTの店舗に行くまで、当然メガネは10年くらいは使えるものと信じて疑わなかった。
ショッピングモールの一角にあるTの店舗で、持って行ったメガネを調べてもらったところ、コーティングが剥がれているので、修理はできないと言われた。すでに寿命がきているらしい。
しかし、普通に使っていて、たった3年弱で寿命が尽きるとは驚いた。レンズ自体決して安かったわけではない。弐萬圓堂ではフレーム、レンズで二万円だったが、ここではレンズだけでそれ以上出している。
ざっと計算してみると、この3年で1000円/月以上支払っていることになる。
普通メガネは度が変わらない限り長期間使えるから、多少高くても売れるのだと思うが、それが3年しか使えないとしたらどうだろう。
この店で作り直したら多少の割引サービスは無いのかと尋ねてみたが、購入日から1年を過ぎると保証はないということだった。
釈然とはしないが、そう決まっているのなら仕方がないということで店を後にした。
3年使ったと言っても正味2年半くらいだ。それに何万円もかけるほどの余裕のある人はそんなに多くないと思うが、メガネの世界ではそういう商売が通用しているということなのかな。客は安売りの店に流れるはずだ。私も、もう二度とメガネのTで買うことはないだろう。
店員と話しているうちに、もう一つおかしなことに気が付いた。メガネ屋ではコーティングを勧めるが、そもそも単層のメガネレンズにコーティングが必要なのかということだ。コーティングさえしなければ剥がれることはない。
例えばメガネ屋は、紫外線が有害だから白内障予防のためにカットしたほうがいいと説明するが、殊更紫外線カットのコーティングをしなくても、素通しのガラスやプラスチックでも有害な短波紫外線はカットできる。
なぜメガネを買う段になると急に紫外線の害を言い出すのか。
メガネ屋の言う通りなら、メガネをかけてない人たちは常に白内障になる危険に曝されていることになる。それならなぜ厚労省は国民全員にメガネをかけて、紫外線をカットするように言わないのだろう。
メガネ屋が紫外線カットや様々なコーティングをするように勧めるのは、他の目的があるのではないのかな。