ツイッターのアカウントを突然停止されて、その理由も明かされないという経験をされたかたもかなりいるようだが、そのツイッターが、とうとうトランプ大統領にいちゃもんを付けてしまった。
それに怒ったトランプさんが、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)企業に与えられている免責による保護を制限する大統領令に署名したらしい。
ツイッターなどのSNS企業は、ユーザーの投稿に対する責任を免れていたが、今後はその免責をなくすということのようだが、そんな都合のいい免責条項があったのを今回初めて知った。
確かにSNSのような事業は、投稿の内容に責任をとらされていたら、訴訟の連発で運営できなくなるかもしれないが、免責を与えるというのは、中立的な運営ができているということが前提になることだろう。
しかし、その中立的な運営が難しい。意見が別れることや、感情的な食い違いなどについて、SNS側が一方的に内容を規制するということは、SNSの担当者が裁いていることになるのではないか。それは中立ではない。
トランプ大統領が言っているように、リベラルや民主党よりの意見に偏っていたとしたら、免責による保護を与える対象ではないということになる。日本のマスコミはトランプ大統領嫌いだから正しい報道は期待できないが、そんなものに頼らなくても幸いネットでは生の情報が入ってくる。ほんとうに良い時代になったものだと思っている。
この問題はネット社会が孕んでいる大きな問題を表面化したのではないかと思っている。誰でも発信できるということは、マスコミの編集から逃れて、取捨選択する権利を個人が取り戻したという点では大きな意味がある。
その一方でさじ加減一つで、誰にでも容易に大衆を扇動することができるということでもある。結局正しく利用するには一人一人が利口になるしか方法はないのだろうが、そんなことは不可能だ。
そのような統制しようのない大きな力を1民間営利企業に持たせ、その営利企業の中に雇用された1民間人に決定権を持たせて、その結果に対しては免責というのはやはりまずいのではないかと考えるのは私だけでないだろう。
子供の頃見た西部劇の主題歌に「♬レンジライダー~ レンジライダー、正義のおとこ~♬ ひとたび怒れば火をはく鉄拳~~♬」というのがあったが、まさにこの心境だ。