無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8627日 孫と一泊旅行

先日暑い中、孫二人を連れて女房と車で一泊旅行に出かけた。ここ最近車を運転する機会も減って、ガソリンも1回2000円分入れておくと2か月以上もつような状態だったが、今回旅行前に久しぶりに満タンにしたところ、あらためてガソリン値段の高騰を思い知らされた。

高速を通れば車で2時間半くらいで行ける滑床渓谷というところで、奇岩の渓谷や川遊びができたり、猿がいたりで、こちらではけっこう有名な場所なんだが、今まで行ったことは無かった。

昼過ぎに家を出て、途中で娘夫婦の家に寄って孫二人を乗せ、自分も行くと言って泣き叫ぶ2歳の末っ子を振り切って出発した。松山から南の高速道路は対面交通で走りにくい。トンネルに入ると余計狭く感じられて、対面車と当たりそうで怖いこともある。ただ、今回は平日だったので、それほど車と出会うことも無く快適なドライブだった。

こんなにガラガラだと、片側2車線に拡張されることもないだろう。これも田舎の宿命と諦めるしかないが、一般国道がきれいに整備されているので、高速道路があるだけでも幸いと感謝しなくてはならないのかもしれない。その分鉄道が寂れてJR四国が青息吐息だが。

三間ICで高速を降りて道の駅で休憩後、残り30キロの一般道を走った。最後の1kmほど、テレビの「ポツンと一軒家」に出てくるようなガードレールのない離合困難な場所もありヒヤヒヤしたが、幸い対向車に出会うことも無く4時前には到着した。

駐車場に車を停めているとすぐ前の森の中から鹿が現れた。角のない雌鹿で、じっとこちらを眺めていて逃げる様子もない。周囲が国有林なので人から危害を加えられることもないので、あまり恐れないらしい。スイカ割り大会後に散らばった種も、後から鹿が始末してくれるそうだ。

ロッジ職員の案内でナイトウォークがあり、暗闇に光る鹿の目やモモンガ、20cmはあろうかと思われるでかいカエル、空を見上げれば満点の星、ベガ、アルタイル、アンタレス、北斗七星等ゆっくりと星を眺めたのは、50年前に練習船青雲丸で初めて太平洋を渡った時以来だったような気がする。

夕食時にピザ作りの実演があるというので、頭の上でくるくる回すあのスタイルを期待していたが、ピザの粘度が違うのでここのピザではあれは無理だと言われた。これはちょっと期待外れだったが、美味しいピザだった。

朝食はパンやコーヒー、ローストビーフ、サラダなどが入ったバスケットを持って屋外で食べるというスタイルだった。最近は猿が少なくなり、悪さをされることも無くなったので可能になったようだ。毎日では面倒くさいが、タマにはこんな朝食もいいものだ。

女房も孫たちもみんな満足して翌朝10時ごろ出発した。帰りは高速を使わずに一般道をゆっくり帰ろうということになり、城川と肱川の道の駅に寄って買い物や食事をすることにした。ところがどちらの道の駅もレストランは定休日でしまっていたことから状況が変わって来た。孫の長女の方が不機嫌になってしまったのだ。これには参った。

途中のレストランに入って素麺を頼んでも食べないし、泣きだしてしまうし、黙ってしまって何も言わないから訳が分からない。自分の子供なら叱り飛ばすんだが孫にはそうもいかない。なだめすかしながらようやく家までたどり着いた頃には機嫌が直っておいたから、終わりよければすべてよしということで、それはそれで楽しい旅だった。