無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10662日

 この間の旅行中、羽田空港から河口湖に行くバスの中で、偶然となり合わせの席になった、帯広の高校の先生に、いろいろと北海道のことを教えてもらった。だいたい四国の倍が九州、九州の倍が北海道といわれているように、わしの住んでいる四国とでは、まず距離感が全く違う。北海道では、車で走る距離も年間3万キロとか4万キロとかになることもあるようで、かかるガソリン代も半端ではないらしい。

 そういえばわしは6年前に、一年落ちのフィットの中古車を買ったんだが、走行距離が23000キロだった。わしなんかは通勤に使っていても、年間せいぜい8000キロくらいで、23000キロには驚いた。疑問に思って営業マンに聞いてみると、その車は北海道でレンタカーとして使われていたということだった。しかも23000キロは1年ではなく、ほとんど一夏で走った距離だと聞いてもう一回驚いたな。

 営業マンが言うには、夏の北海道をこれだけ走っていれば、もしお客さんから苦情があれば、すぐに整備しているはずなので、出尽くしているはずだ。さらに、ここの店頭に並べる前にも点検整備しているので、非常にいい状態だということだった。それは確かに理屈ではあるが、しかし、よく見るとボンネットに細かい無数の傷がついているし、ヘッドライトも汚れているのでそれを指摘すると、それは虫があたった傷跡で、夏の北海道を23000キロも走ると、こんなになるんだと言っていたな。北海道は虫の数も大きさも半端ではないんだろう。その傷については納車前にボンネットの塗装をし直すということで話はまとまった。その後6年間乗って、現在走行距離45000キロだから、たった22000キロしか走ってない事になる。たいした活躍の場も無く、さぞかし車庫で無聊をかこっていることだろう。