無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あと8548日 父の話から~そして内地へ

3人を乗せたトラックは水原駅前から京城に向かった。京城入口の橋のたもとに警備のため米軍のMPが立っていた。そこで窓から乗り出して、腕に巻いていた特別警察の腕章を指さしながら敬礼をすると、そのMPは笑いながらOKと言って難なく通してくれた。おおらか…

あと8556日 父の話から~特別警察隊

龍山駅で咸興行きの貨車に乗ってはみたが、一向に発車する気配がない。1日たち2日たっても静かな構内だった。3日目になってやっと北から貨物列車が入ってきた。その貨車に乗っている人たちを見て驚いた。乗っていたのは包帯を巻いたたくさんのけが人だ。「…

あと8558日 父の話から~水原高等農林学校

その出動命令が出た時、父は井上上等兵に頼まれて、町に焼酎を買いに出かけていた。「○○酒店に注文してあるからもらってきてくれ。」と言われたので、受け取ったらすぐに帰るつもりだったが、店の主人に勧められるままに酒を飲んでいるうちに時間がたってし…