無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8090日 イノシシ現る

一昨年の5月に続いて、去年の3月にマダニに咬まれて以来、千秋寺山登山はやめにして電動アシスト自転車を乗り回したり、城山に登ったりしていたがやっぱり自然の中で里山登山もしてみたいと思うようになった。

ダニに咬まれるのはこりごりなのでいろいろ調べてみたら、ダニ対策としては長靴がいいという記事を見つけた。すぐにネットで長靴を探してみたが、やはり靴は履いてみないとわからない。近所のホームセンターに行って1980円のを購入した。

その日にさっそくその長靴を履いて千秋寺山に登ってみると、ちょっと格好悪いとはいえ、これがなかなか具合がいい。滑らないし、砂も入らない、地面が濡れていても大丈夫。ダニ除けスプレーを吹きかけておけば完ぺきではないか。これでマダニは大丈夫と安心した。

今日もチョコザップで午前中1時間ほど運動した後、長靴を履いて山に向かった。天気も快晴で気温も11度あり気持ちよかった。千秋寺山頂上から天神山に向かう山道を赤木圭一郎三橋美智也三波春夫島倉千代子などの歌を大音量で聞きながら、鼻歌交じりに歩いていると、すぐ横の藪の中でガサガサ音がした。

一瞬立ち止まったが鳥でもいるのかと気にもせずに2,3歩進んだ時だった。真っ黒な山のような物体が藪から飛び出してきて山道を横切って反対側の藪の中に飛び込んだ。これにはビビった。どう見てもまるまると太った子牛ほどもあるでっかいイノシシだ。こんなにでかいイノシシを見たのは初めてだった。

もともとイノシシがいることは知っていたので、驚きはしたがまあ行ってしまえば大丈夫だろうと5mほど歩いた時、再び左の藪の中でガサガサ音がしたかと思うと、今度は小さな瓜坊が飛び出してきてさっきのイノシシの後を追っていった。親子で餌を探していたのだろう。

親が子を残して自分だけ逃げるとは考えられないので、先に走っていった親のイノシシはどこかでこちらを見ていたに違いない。子連れの熊は危ないと言われるように子連れのイノシシも危ないのではないかと急に心配になって来た。イノシシが襲ってきてもトレッキングポールがあれば戦えるだろうなどと安易に考えていたが、実際に目の前で見ると、あの質量の物体が突進してきたら何の役にも立たないだろう。

去年出会ったタヌキは丸い目をしてかわいかったが、イノシシは目を合わしたいとも思わない。くわばらくわばら、踵を返して大急ぎで下山した。

家に帰って調べてみると、対策としては本来イノシシは臆病な動物で、自分や子供を脅威から守るために襲ってくるので、脅威を与えないように、先にこちらの存在を教えるというのが有効らしい。今回は大音量の赤木圭一郎の「霧笛が俺を呼んでいる」がその役目を果たしたということだろうか。

初めての経験でかなりビビったが、これに懲りずこれからも山歩きを楽しみたい。