無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あと10372日 死を認める勇気とは

19歳の夏の終わり頃、隣の島にあった空手道場に、他の部員と一緒に稽古に行った帰りの船の中で、隣にいた人が突然亡くなるという経験をしたことがある。その時、見ず知らずの人とはいえ、人はこんなに簡単に、あっけなくなく亡くなるものかと無性に寂しさ…

あと10373日

今朝は、女房が仕事に行ったのも気が付かないで熟睡してしまった。7時過ぎに、犬の小太郎が隣のリビング兼ダイニングの床を、カツカツと歩き回る音で目が覚めた。ミニチュアダックスは足が短いので、カツカツという足音もピッチが速い。一度耳につくともう…

あと10374日

若い頃は人と議論したり、議論とまではいかないが、長い時間ひとつの事について話し込んだりすることもよくあったが、そういうことをする時間は、歳をとるにつれて減ってきた。年の功といったらいいのかどうかわからないが、段々と先が読めるようになってき…

あと10375日

60歳で定年退職した頃、以前東京で仕事をしていた時に、同じ職場にいたKさんとNさんに連絡をとったことがあった。30年間年賀状だけの付き合いだったので、定年を期に一度会ってみたいと思ったのが始まりだ。Kさんはわしと同い年で、定年退職したはず…

あと10376日

第17回全国障害者スポーツ大会の開会式出席のために、皇太子殿下が来られていて、あちこちで通行規制がかけられている。そうとは知らずに、女房の兄の入っている施設に、冬物の毛布や衣類を届けに行って、危うく門から出られなくなるところだった。天皇陛…

あと10377日

今日は朝から久しぶりの快晴で、こういう日は朝起きても気持ちがいいものだ。女房が6時過ぎには仕事に出かけたので、わしも二度寝をやめて、7時頃から毎朝の掃除にとりかかった。二度寝は一度始めるとくせになって、やめようと思ってもなかなかやめられな…

あと10378日

昨夜、カズオイシグロ氏の、「日の名残り」を一気に読み終えた。終えた後、確かに戦後イギリス貴族の没落や社会の変化を、執事という職業を通して描いてはいるが、それが主題ではないように感じた。イシグロ氏は、書きたいことのために、単にそのシチュエー…

あと10379日

女房の職場は年配の人が多いので、定年退職した旦那さんの話が、日常の会話でよく出てくるらしい。誰それの旦那さんは毎日外に散歩に行ったり、孫を連れて遊びに行ったりしているとか、誰それの旦那さんは毎日一万歩あるいているとか、要するに、わしが根が…

あと10380日

2日前から、古事記神代巻を読んでいる時にも、祝詞をあげている時にも、以前とは違って、実行している自分ではなく、それとは別に声を聞いている自分がいるような気がしてならない。実行者でもあり、観察者でもあるということだが、相曾誠治著「言霊と太陽…

あと10381日

午後4時を過ぎて、台風21号の風雨がますます激しくなっていている。ここまでひどくなると、これから投票に行く人は居ないのではないのかな。天気予報で、時間が遅くなるほどひどくなるということは、早くから周知されていたから、投票に行くつもりだった…

あと10382日

ずっと雨が降り続いていて、洗濯物が乾かないので困っていたが、浴室乾燥機を使えば、ほとんど乾かせるということに、昨日初めて気が付いた。リフォームして、乾燥機を付けてからから2年間、なんで気が付かなかったのか不思議だ。通常、入浴後1時間30分…

あと10383日

家に引きこもっていると、よく趣味を持ったらいいとか、人と関わった方がいいとか言われるが、趣味を持ってそれに没頭したとして、それで一体何が残るというのだろう。気晴らしや時間つぶしにはなるかもしれないが、何の役にも立たないとわしは思う。この気…

あと10384日

女房の友人で、リハビリ関連の大きな病院で事務長をやっている人が、病院に一番入院してほしくないのが、足が達者な痴ほう老人だと話していたそうだ。人権云々と騒がれるから縛り付けるわけにもいかず、かといって人手をかけることもできない。確かに病院に…

あと10385日

娘を嫁に出すというのは寂しいものだと、世間ではよく言われている。わしの昔の上司なんかは酒を飲むと、芦屋雁之助の歌 ♪~嫁に行く日が来なけりゃいいと~男親なら誰でも思う~♪ を歌っていた。お前らもいずれ嫁に行く娘を持ったらこの気持ちがわかると言…

あと10386日

総選挙で、候補者の車が名前を連呼して回っている。一時は、連呼はうるさいし意味がないからやめよう、というような声も聞かれたことがあったが、今でも名前の連呼しかやらないのは、それが一番効果的だからなんだろう。止まって話をするなら、いろいろ話す…

あと10387日

10年以上前になるが、女房の兄が脳幹出血で倒れて、左半身不随の障碍者になってしまった。命があっただけ良かったといえばその通りなんだが、自力で排便排尿ができないというのはつらいことだ。月に2回は女房が紙おむつとか尿漏れパッドを届けているので…

あと10388日

一昨年の10月15日は、このブログを始めるきっかけとなった叔父の亡くなった日で、今日は3回忌の法要に出席した。2年前、葬儀の後「うちの一族はがんで死ななければ94まで生きる」と叔母に言われたときは、それはすごいと思ったが、丸2年たった今に…

あと10389日

ノーベル文学賞に日系英国人のカズオイシグロ氏が選ばれて、また肩透かしをくらった人たちが騒いでいたようだ。わしは以前から、○○賞受賞作品とか、○○新人賞、○川賞、○木賞受賞作品等は読んでみたいとも思ったことがない。何でもそうだが、ある程度時間がた…

あと10390日

先週の金曜日に咽喉が痛くなって、医者に行こうかどうか迷ったが、もともと医者嫌いな性格なので、結局置き薬を飲んで早めに寝ることにした。春に咽喉の痛みから高熱が出て、咳喘息のような状態でひどい目にあった。この時は協会けんぽから国保に切り替え中…

あと10391日

普段忘れていることが、何かの拍子に突然浮かび上がって、それが呼び水になり、次から次へと、それと関連したことが湧き上がってくるということを、昨夜初めて体験した。暑くて寝苦しかったので、エアコンをつけても、なかなか寝付けなかった。そういう時は…

あと10392日

日曜日と体育の日にかけて長男一家が1泊し、昼間は長女一家も遊びに来たので、孫4人が一日中家の中を走り回り、喧嘩して泣いたり泣かされたり、やかましい事この上ない。しかも、それに対応して犬がずっと吠え続けているので、近所迷惑にもなるし、ほんと…

あと10393日

4年前に島であった同窓会に、O君は「現在胃がん闘病中のため欠席します。次回は出席して同じ釜の飯を食ったみんなと会いたい。」という短信を書いてよこしていた。わしは胃がんなら早期発見でよくなることが多いと聞いていたので軽く考えていた。そこで、…

あと10394日

昔はカメラは貴重品で誰でもが持っている物ではなかった。中学校の修学旅行もカメラを持っていけるのは1グループに1台と決められていて、それでグループの写真を撮ることになっていた。その当時、うちにはヤシカministerというカメラがあったので、それを…

あと10395日

図書館に勤めていた人から、昭和32年から40年代までのサンケイカメラ、アサヒカメラ、カメラ毎日を貰ってから30年たった。家の中で大きなスペースを占有して邪魔なうえに、これらの本はとにかく重たいので、座が抜けるんじゃないかとか、家が傾いてい…

あと10396日

今日は地方祭で、朝から子供神輿や大人神輿が家の前を通って行った。子供が小さかった頃は、一緒に神輿について回らなければいけないので忙しかったが、今は関係なくなったので楽になった。しかし、来年はここの区に町内会長の順番が回ってくるので、自薦ま…

あと10397日

3軒隣にTさんという、おそらく80代半ばではないかと思われる人が住んでいる。わしが子供の頃から住んでいたらしいが、最近まであまりよく知らなかった。同じ町内会ということもあり、親父のあとの民生委員を引き受けてらったりして、両親は普通につきあ…

あと10398日

多くの人が経験していることだと思うが、コピー機が普及し始めた頃から、回ってきた文書とか、読んでいる本なんかをやたらコピーするようになった。コピーするときは大事なものだから忘れないようにとっておこうと思うんだが、すぐにどこかにしまって忘れて…

あと10399日

別に自慢するわけではないが、うちの女房はかなりできた人で、人の批判はしない、何をしても手を抜かない、不平を言わない、これだけでもすごいんだが、さらによく働く。この家も女房がいるからもっているようなもので、わしや子供、孫を含めた家族全体の扇…

あと10400日

一日中家にいて、自分の中だけで時間を消化するという生活は、自分がそれに満足して、認めることができさえすれば完璧なものとなるはずだが、現実には、そんなにうまくはいかない。客観的に見たら、外に出ようが家にいようが、体をどのように使うかという、…

あと10401日

昔は子供がたくさん生まれても途中で亡くなることも多かった。衛生状態や栄養面でも問題があったんだろう。話を聞いてみると、親父やおふくろの世代でも、兄弟全員が成人するということはあまり無かったようだ。わしは子供の頃にお墓参りに行く度に気になっ…