無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8031日 嘔吐下痢症顛末記

あの新型コロナにも罹らなかったのに、春分の日に遊びに来た4歳の孫のH君の嘔吐下痢にはいとも簡単にやられてしまった。コロナ収束とともに警戒心が緩んでいたのかもしれない。H君の長いトイレに、腹の調子が悪いのかなとは思ったが、本当はその時に次に起こるかもしれない現象に気づくべきだった。

ようやくトイレから出たH君は、ソファに座った途端に口と鼻から昼食べたものをすべて、カーペットとソファの上にぶちまけた。これは嘔吐下痢症間違いないと気が付いた。その時すぐにマスクと手袋をすればよかったんだが、そんなことはすっかり忘れていた。これがコロナだったらもっと緊張したはずだ。

近所のドラッグストアで買ってきたハイターを希釈して消毒液を作り、床やトイレやH君の触れたところを拭いて回った。カーペットは女房と二人で担いで車庫に広げ、水で洗い流した。その後消毒液を吐瀉物のあった部分にかけて、もう一度水で洗い流した。これを3回ほど繰り返した。

それを干そうとしたが水を吸い込んだカーペットは重くて持ち上がらない。二人でずるずると引きずって塀の上にかけ、そのままにして乾くのを待つことにした。これで一連の作業はひとまず終了した。これで終わればめでたしめでたしだったのだが、そうは問屋が卸さなかった。

それから約48時間後の22日のことだった。夕食がすんで椅子から立ち上がろうとしたとき、突然得体のしれない倦怠感を感じてそのまま傍のソファに座り込んでしまった。独居高齢者宅の点灯確認に回らなければいけないのに、立ち上がる気力もわかない。嘔吐下痢症の潜伏期が1~2日だからウィルス感染間違いなしだが、こんなに突然やって来るものなのかとちょっと驚いた。

これからのち約72時間寝込むことになるが、病気で寝込むのは仕事を辞めた64歳の時のインフルエンザ以来だった。コロナに感染しなかったことでウィルスの脅威をなめていた。当のH君は2日後には遊びに来るというので親に様子を聞くと、まだ下痢は残っているので便にウィルスがでるが、それを気をつければ問題ないとのことだった。

こちらはまだ起きられないのに、子供の回復は早い。問題ないと言われても、来てほしくはないが、かといって来るなとも言えないし、これには弱った。そうこうしているうちに当日となったが、幸いにもその日が大雨で遊びに来る話は取りやめとなった。この時ばかりは本当にほっとして雨に感謝した。