無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10500日

 去年4月から、家にいるようになって、近くのスーパーやドラッグストアなんかに、1人で買い物に行く機会が増えた。その時、周囲を観察していると、時々、よく言われる「切れる老人」とか、いろいろ癖のある人達の繰り広げる、面白い現場に出会うことがある。今日は体調も戻ったので、近くの駐車場に止めていた車を取りに行って、その帰り道、弁当を買うためにスーパーに寄った時、そこで出くわしてしまった。

 弁当2つ、アップルパイの菓子パン2個と、女房に頼まれていた紅茶のペットボトル4本をカゴに入れてレジへ向かった。4カ所のレジが動いていたが、2番目のレジには清算している人の後ろに誰も並んでいなかった。後の3カ所は、2〜3人並んでいる。しめしめと思って、2番目のレジに並んで良く見ていると、どうも様子がおかしい。歳は50歳くらいだと思うが、その男性、財布を開いてお金を入れたり出したりしていなかなか捗らない。1分程して、わしの後ろに並んでいた人は、別の列に行ってしまった。

 レジの合計金額を見ると288円となっているのに、お金を入れる台には千円札2枚と小銭が並んでいて、その小銭をまだ勘定している。わしはてっきり、2ちゃんねるでみかけるような、馬鹿なことをやっているのかと思って、更に近づいて覗き込んでいると、わしがせかしているように思ったんだろう。今までじっと待っていたレジの人が、台の上に並べられたお金の中から、300円だけとって清算し、12円と残ったお金を返して、あっという間に終わらせてしまった。わしはせかすどころか、もっと見ていたかったんだが。

 結局2分程並んでいたと思うんだが、この人は何をしたかったのか、袋に詰めながら考えてしまった。見た感じも普通の人だったし、レジで遊ぶような人にも見えなかったので、2ちゃんとも関係なさそうだ。ひょっとしたら計算がすぐに出来なかったのかもしれない。わしのおふくろも、70過ぎてリュウマチで2週間入院したら、お金の計算ができなくなったことがあった。おつりの計算どころか、請求された金額通り支払うことすらできなくなったから、まさに今日見た人の状況と同じだった。本当に困っていたとしたら気の毒なことで、2000円以上お金を出しているんだから、レジの人も2分も待たずに、さっさと清算してあげればいいのにと、気の毒に思えて来た。また、今回は手助けを必要としている人がいるのに、何もせずに眺めていた自分自身も少し反省した。

tysat1103.hatenablog.jp

レジで、切れる老人を見て、大笑いする方がすっきりするな。