無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10841日

 異境備忘録に、今生きている世界で生きる事が、人にとって一番幸せなことだというような事が書いてあったが、確かに現世は面白い世界ではあるな。嬉しかったり、悲しかったり、怒ったり、笑ったり、嫌いになったり、好きになったり、損したり、儲けたり、騙したり騙されたり、そしてこんな世の中を生きる人間はどうかといえば、何枚もの仮面をかぶっているんだから、この設定で本来面白くない訳が無いんだよな。

 ではなぜ面白くないと思う時があるんだろうな。わしは23歳のときに人生はつまらんと気が付き、まだ50年も生きなきゃならんのかと絶望したこともあった。人間の寿命が30年ならあと7年生きればいいだけだから、なんとか時間をつぶすこともできるが、50年もどうすればいいのか真剣に悩んだこともあった。このときは人生はつまらんし、不安も大きかったな。あれから40年普通に生きて来たが、人生結構楽しいんだけどな。

 なぜ突然人生がつまらなくなったり、また面白くなったりするのか、面白くなったら世の中がどう変わるのか、一般的に哲学書などでは自分の心を投影しているだけで、実態は何も変わっていないなどと当たり障りの無い事を書いているが、何事も畳の上の水練では実感がわかない。この変化を短期間に如実に体験しようと思ったら、FXとか日経225を少しやってみるのが一番だな。決して勧めはしないが、人生バラ色から灰色へ、灰色から真っ黒へ、かと思えばあっという間にバラ色にかわる。数分でこれらがやってくるんだから、ころころ変る人生観なんて馬鹿らしくて語っておれんよ。結局悩んでいる人生なんてものもそれだけのものなんだな。

 しかしわしはこれを人には勧めない。儲けても損しても、頭が24時間先物漬けとなり、一度しかない人生の貴重な時間を無駄にしてしまうよ。