昨晩は、以前の職場の労働組合の人たちとの、年に一度のビールパーティーがあった。この労働組合は左翼イデオロギーとは無縁の、職員の待遇改善福利厚生を目的として、およそ25年前に、私らが中心になって結成した組合なので、組合員みんな仲がいい。
結成後、初代書記長として規約を作成して、団体交渉の申し入れなどを行ったことで、職場は上を下への大騒ぎになった。
現場の上司がそのまた上司に呼ばれて、ひそかに構成員を尋ねられたりしたこともあったようだ。もちろん不当労働行為だが、単に管理職に労働組合というものに対する免疫がなかったということだろう。ドタバタは見ていて面白かった。
今のようにインターネットで情報が取れれば問題ないが、当時は印刷物に頼っていたので、上部団体がなければ何もわからなかった。
そこで、やむなく共産党系の某団体の支部に連絡するとすぐに3人ほどやってきた。勢力拡張という目的はあるにしても、この人たちは本当に熱心で驚いた。我々は共産党なんぞ大嫌いだが、初期にはずいぶんお世話になった。
そのぶん、こちらも休みを取ってデモに参加もしたり、赤旗日曜版をとったり、それなりに義理は果たしているはずだ。だんだんと疎遠になっていったが、これもいい経験をさせてもらったと思っている。
人それぞれで、労働組合も作るのに向いている者もいれば、運営していくのに向いている者もいる。私を含めて結成初期の3役は3年くらいで引っ込んで、あとは穏やかな後輩の皆さんにやってもらったが、25年も続いているのはそれが功を奏したと思っている。
私らがずっとかかわっていたら、どこかで空中分解していたことだろう。最近騒がれているあおり運転ではないが、沸点の低い人間は勢いで行動するので、地道な活動は向いてないのかもしれない。
世の中たくさんの労働者がいるが、ゼロから労働組合を立ち上げたという人は稀だろう。今から思えば、失礼なことを言ったり、いろいろ迷惑をかけたこともあって、反省すべきことは多々あるが、それでも少しは人の役に立ったこともあったかなと思っている。
先頭にたっても、自分にとっては何のプラスにもならないということはわかっていたが、逆にそれだからこそ協力が得られたのかもしれない。こうして年に一度でも忘れずに声をかけてくれるのは有り難いことだ。