無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと9064日 来島海峡事故

5月27日の来島海峡事故で行方不明だった2等機関士の上畠隆寛さんが発見され、死亡が確認されたというニュースがあった。22歳というから人生これからという時に気の毒なことだ。枕崎水産高校卒と紹介されていたから、内航とはいえこれだけの大型船に機関士として乗るためには、卒業後かなりの努力をされたことだろう。

それにしてもこの大きさの船で乗組員が12名というのに驚いた。最近の事情には疎いが、47年前は乗船していた9万トンタンカーで船長、1等、2等、3等航海士、機関長、1等、2等、3等機関士、通信長、ボースン、クォーターマスター、セーラー、ナンバン、オイラー、フィアマン、司厨員で18~19人は乗っていた。それ以前に乗っていた5000トンの貨物船でも似たようなものだった。12名ということは船長、1等、2等航海士、機関長、1等、2等機関士とあと6名、司厨員は必ずいるはずだからあと5名ということか。

内航だから長期航海することもないし、陸上の支援も受けられるから、法律で認められた最低限の人員配置でもやっていけるのかもしれないが、外航船と違って出入港の多い内航船は苦労も多いことだろう。労働のわりに給料もそれほどでもないようだから若者に人気が無いはずだ。

今回白虎は衝突後すぐに転覆したらしいから、横倒しになり浸水が始まった機関室からの脱出は、普段から訓練でもしてない限り不可能だ。海上自衛隊では、水中で転覆したヘリから脱術する訓練をして、その手順を体が覚えているそうだが、沈むことを前提にしてない貨物船でそんな訓練ができるわけもない。残る2名の方がどこか船内の空気の溜まった場所で生存されていることを願っている。

4~5年前になるが、野島崎沖で衝突事故があり私の1年先輩が行方不明になったことがあった。あそこは深海なので引き上げることはできなかったが、今回は可能なようだ。一日も早く引き上げて沈没原因を究明してもらいものだ。