無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8273日 自転車で高縄山に登る

5月31日にブリヂストンTb1eを購入して2カ月が過ぎた。この自転車はクロスバイク乗りには、クロスバイク風ママチャリだと言われているそうだ。ママチャリ以外乗ったことがない私にとってはそれがどんなものか全く想像もつかなかったが、同じ自転車だから変わりないだろうと少しナメてかかっていた。

受け取って帰るとき「クロスバイクに乗ったたことありますか?」と聞かれた。面倒くさいので「ありますよ。」と答えておいた。たかが自転車に乗るだけなのに妙なことを聞くものだなと疑問に思った。ところが受け取ってサドルにまたがって少し走ったらその意味がわかったような気がした。

とにかく尻から腰が痛くなるし、ママチャリに比べて前傾姿勢になるので首が凝る。それにこれはブリヂストン電動アシストの特徴らしいが、前輪駆動なのでまるで引っ張られるように一気に前に出る。間違って人に当てたりしたら大変なことになる。家まで500mほど走らせる間に、今まで乗ってきたママチャリとは全く違うということだけはよくわかった。

少し走れば尻の痛みも無くなるだろうと思っていたが、3日乗っても治らない。仕方がないのでアマゾンでママチャリ風の大きなやわらかいサドルを購入して付け替えてみたところ、格好は悪いがこれで尻の痛みは解消した。首が凝るのは慣れるしかないだろうと諦めて、毎日のように自転車を走らせている。

10km、20kmと重信川サイクリングロードで、一回に走る距離を伸ばしていくうちに少し自信もついてきたので、ここらで初期の目標であった標高993mの高縄山登ってみようかと思うようになった。7月21日に朝、買い物に行ったついでに思いついて向かったが、569mの地点でバッテリー不足となり引き返した。バッテリーさえ充電しておけば行けたのにと残念だった。

7月24日はフル充電して勢い込んで出かけたが、下から見ると山頂あたりには雷雲が多く発生していて、雷注意報までも出ていたので引き返した。そして7月26日ようやく登ることができた。途中傾斜10%の坂道がだらだらと続いて、バッテリー残量も20%になるとさすがにちょっと不安になってきた。アシストなしでこの重いだけの自転車を漕いで登るのは無理だ。ブリヂストンは回生充電が働くので頂上まで行けば残量ゼロになっても大丈夫。後は長い下り道で20%ほど充電できることは前々回来た時に確認しておいた。


途中ずっと好天だったが、頂上にあるNTTの電波塔に着く少し前になると突然ガスがかかって視界が5mくらいになってしまった。


晴れていると瀬戸内海が見渡せる絶景ポイントなんだが、何も見えないので早々に引き上げた。少し下ったところにある高縄寺に寄って、若い頃空手部の合宿をした山門を52年ぶりに訪れた。思ったよりきれいに手入れされていて当時の面影を残していた。

さて、そろそろ駐車場で一休みして帰ろうかと寺を出る頃になると空は快晴だったが、もう一度頂上まで往復する気力は無かった。山の天気は変わりやすいとはいえ、これにはがっかりした。ゆっくり駐車場の休憩所に降りていくとロードバイクの先客が3名いた。別ルートから上がって来ていたが、自力で上がって来るのだから大したものだと感心した。自転車、ジャージをトレックで統一した、いかにもという感じの人達だったがいろいろ話を聞かせてもらって楽しかった。少し休むと3人は颯爽と頂上へ向かった。

下りは快適だった。回生充電機能がエンジンブレーキのような役目をするので、自然とスピードを抑えられる。まさに面目躍如とでもいおうか、これがあるからTb1eにしたと言っても過言ではない。十分その威力を発揮してくれた。その後酷暑の国道196号を12km走って無事帰宅したが、畳の上に横になった途端寝てしまったからかなりハードであったことは間違いない。これならダニに咬まれることなく山に行けるのでしばらく続けてみることにした。

距離 58.92km

時間 4時間40分

登り 1274m

下り 1280m

平均ペース 6:03/km

最高ペース 0:46/km