無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8704日 マダニ騒動

先日、山でマダニに咬まれてしまった。長ズボンに長袖の服、足には脚絆を巻いて、露出する部分は全く無かったはずだがどこから入ってきたのか、起床時にふくらはぎに頭を突っ込んで5倍ほどに膨らんだ状態で発見した。血を吸いながら麻酔に似た物質を出すため、痛くも痒くもないので発見が遅れるらしい。

軽く引っ張っても取れないので、最初はイボでもできたのかと思ったが、いくらなんでも一晩でこんなに大きくなることは無いだろうと考え乍ら女房に見せると、即座にこれはマダニだと言われた。女房は以前からユーチューブで寄生虫等の気味の悪い映像をよく見ていたのは知っていたが、今回はその知識が役に立った。

そして、麻酔をかけてマダニごとえぐり取る以外ないので、早く皮膚科に行かないと下手したら死ぬよと言われた。以前、職場の同僚の母親がマダニに咬まれて亡くなったことを思い出して、ネットで検索すると、致死率30%のSFTS「重症熱性小板減少症候群」をはじめライム病、ツツガムシ病などと恐ろしい言葉がならんでいる。

3割死ぬのか、これは大変と急いで近所の皮膚科に駆け込んだら渡された番号札がなんと42番だった。受付でマダニに咬まれたと伝えると看護師が確認して、これはオペになるので、42番では時間内にみれないかもしれない。できたら他の皮膚科へ行って早く処置した方が良いと言われた。42という番号も不気味だったのでちょっとホットして、その足でもう一軒の皮膚科へ向かった。

受付後20分ほどして呼ばれた。マダニで間違いないということで処置を行った。まずワセリンで塗りかためてマダニを窒息死させ、自然にはずれるのを待ったがいっこうにはずれない。結局、局部麻酔を打ってハサミでマダニの口ごと切り取ることにした。麻酔をしているので痛くはないが、ハサミで肉を切られる感触は、決して気持ちのいいものではない。その後採血をして抗生剤のクラリジッドと傷口に塗るゲンタマイシンをもらい、一週間ほど様子をみるように言われて帰宅した。

すべての処置が終わってほっとした同時に、山という自然が支配するテリトリーに入っていくことに初めて不安を感じるようになった。それから1週間、天気が良くなかったこともあり、山は休みにしていろいろダニ対策を考えてみたが、原因はズボンのすそを靴下の中に入れてなかったということしか考えられなかった。

子供の頃は半ズボンで走り回っていたんだから、脚絆をしっかり巻いていれば丈夫だろうと安易に考えていたが、それだけでは不十分だったようだ。そこでワークマンに行ってダニが付きにくいといわれているポリエステルの速乾性の作業用ズボンを購入した。ズボンの上にこれをはいて、その裾を靴下の中に入れて、その上に脚絆を巻けば大丈夫だろう。

しばらくはこれでやってみよう。