無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと8216日 マインドコントロール

「閉ざされた言語空間」などによって暴かれたGHQによる検閲だが、最近これが一般に知られるようになり、GHQの横暴として非難の声もきかれるようになった。ところが小室直樹著「日本国民に告ぐ」によると、GHQはもともと大戦中に日本のマスコミで行われていた自己検閲を利用しただけだということらしい。

マスコミの自己検閲は、軍部の検閲で本刷り直前に削除されると出版が遅れて経済的損失を受けるので、それを避けるために予め自らが厳しくチェックするということから始まった。元々検閲当局のうけをよくするために嫌々ながら始めたものだったが、それがどんどん自己増殖して、最終的には当局より厳しい方向に向かった。

その結果自己検閲は軍部も乗り越え、マスコミを主戦論一色に染め抜いて政府も軍部も国民も戦争へ引きずっていったということのようだ。最早当局は非戦論を弾圧する必要はなかった。編集者による自己検閲で、そのような論はとっくの昔に必要以上に削除されてしまった。こうしてマスコミによる自己検閲の事実を知らない国民は簡単にマインドコントロールされてしまった。

戦後それに気が付いたのがGHQだった。自己検閲を発明したのは日本のマスコミだが、GHQはこれを活用して言論の自由を振りかざしつつ、有史以来想像もつかないほど完ぺきに日本人のマインドコントロールを完遂したのであった。そしてこのマインドコントロールの仕組みは独立後も続いている。その延長線上に慰安婦問題、南京問題、教科書の近隣諸国条項題等がある。その過程については本の中でいろいろ考察されているのでぜひ読んでほしい。

私自身こんな大嘘がなぜ通るのかと不思議に思っていたが、この本を読んでなんとなく理解できた。ただ、最近ではインターネットが普及したせいでマスコミの力が削がれてしまったので、マインドコントロールが効きにくくなってきている。それによって民主主義本来の姿であるいろんな問題について議論ができるようになってきた。慰安婦問題も朝日新聞が白状したし、南京事件もなかったと言っても社会から抹殺されることはない。

たしかにこれらはいい兆候ではあるが油断はできない。一方で、あることをタブー化することにより、そのことについて批判することはもちろん、議論することもさえも認めないという流れが作られようとしている。法も政府も国民もそういう空気に流されて黙ってしまうということは、戦中戦後マスコミがやって来た自己検閲を、今度は国民一人一人が自分の心に対して行うということだ。

これは恐ろしいことで、行き着く先は物理的な争いであり、社会の崩壊となるだろう。

小室直樹直樹著「日本国民に告ぐ」を読んでいろいろ考えさせられたが、インターネットアーカイブでも無料で読めるので是非多くの人に読んでもらいたい。