山歩きを始めて約10カ月たった10月8日に、とうとう西日本最高峰の石鎚山に登ることができた。これが初めての本格的な登山といえるかもしれない。60年も昔になるが、中学2年の時に麓の面河渓から山頂まで5時間かけて歩いたことがあったから初めてではないが、その時のことは、ただしんどかったということ以外ほとんど覚えてないので、ノーカンということにしといた。
今回は60年前には工事中だった石鎚スカイラインで一気に土小屋まで登り、そこから約3時間の登山で山頂に向かうことになった。ヤマレコで偶然知った同期生の登山グループに入れてもらい、一緒に連れて行ってもらっただけなので、えらそうなことはいえないが、なんとかついて行けたということは、体力的には10カ月の山歩きの成果といえるのかもしれない。
16歳から21歳まで寮で同じ釜の飯を食った仲というのは特殊な関係で、卒業して何十年も会ったことがなかっても、会ったらその瞬間から子供のころに帰ってしまう。わいわいとバカ話をしながら登っていると疲れも忘れてしまった。去年まで、なんでわざわざしんどい思いをして高いところに登りたいのか全く理解できなかったが、山登りは楽しいものだと改めて気が付いた。
あいにくこの日は雨でガスがかかっていたが、登山客も多くて道に迷う心配もないのでのんきに歩くことができた。全部お膳立てをしてくれたリーダーのF君は船会社の専務取締役、T君は元外国航路の船長、M君は不動産鑑定士、W君は子供服販売業ということでいろいろだが、共通しているのは元船乗りだということだ。その55年前の紅顔の美少年達も、寄る年波には勝てず、あそこが痛いここが痛い、高脂血症、高血圧と老人会のような話にるのは仕方がない。
皮肉なことに、土小屋の駐車場まで下りてきたら雨も上がり空は快晴になっていた。
あと20年は難しいかもしれないが、せめてあと10年くらいはこのグループで山登りを楽しみたいものだ。