無駄に生きるとはどういうことか

うちの一族はがんで死ななければ94まで生きると、叔父の葬儀の日に叔母にいわれた。聞いてみると確かにわしの親父他何人も94で死んでいる。そこでわしも94の誕生日に死ぬと決めて、それまでの日数をあと何日と逆算し、切りのいい64で仕事も辞め、死への準備にかかった。その日々をブログに書いている。

あと10562日

 2年前に女房の弟が、新車だと250万円ほどする、7年落ち、走行距離が7万キロの中古車を、整備も含めて100万近くだして、ネットで購入した事があった。新車ならともかく、中古車をネットで買うとは、また思い切ったことをするもんだと、これには驚いた。この2年間、仕事でかなり走っているようだが、すこぶる調子はいいようで、これは当たりが良かったんだろうな。

 わしは再雇用になって、車だと通勤手当が決まった額しかでないが、電車だと定期代が全額出るので、倹約のため通勤方法を電車に変えた。いざ変えてみると、体も樂だし、かかる時間もほとんど変らないので、4年間実に快適だった。もっと早く電車通勤にしとけばよかったと後悔したものだ。

 朝、もよりの駅まで行くのに、初めの頃は歩いていたが、やはり乗り遅れそうになると自転車もほしい。そこで近所の「あさひ」とかホームセンターで安いのを探してみたが、ちょっとよさそうなやつは値段も高い。通勤に使うだけで、乱暴な扱いをするわけではないとはいえ、フレームが折れる事故が起こっていることなどを考慮すると、あまり安いのもおそろしいような気もする。日本製にした方がいいのか、いろいろ迷った挙句、今回はやめにしようと、買わずに帰った。

 しかし、家に帰るとまた欲しくなった。女房には買っときゃよかったのにと笑われるし、もう一度店に行くのも面倒なので、その晩ネットで調べてみると、ほぼ完成状態で送ってくれる店もあることがわかった。中国から送ってきたものを検査して販売するらしいが、写真をみても普通の自転車だし、変速機はシマノで、販売台数も多いようなので大丈夫だろうと、思い切って注文した。

 一週間ほどして送られて来たが、見た感じがいかにも安っぽい。ネットに出ていた写真と同じ物だとはいえ、これが店に並んでいたら絶対買わなかっただろう。ハンドルを黒く塗ってあるのは、恐らく質の悪い材料を使っているのをごまかすためだろうし、普通、自転車には、なにかしらかっこいい名前がついていたり、会社名くらいは書いてあるだろうと思うんだが、車体のどこを見ても、白一色で何も無かった。確かに変速機はシマノだったが。

 近所のホームセンターで防犯登録をした時、店員さん、メーカー名を書く欄に何と書くのか、興味津々覗き込んでいたら、しばらく自転車を見て回った挙句に、少し躊躇しながら「シマノ」と書き込んでいた。おいおいそれは変速機メーカーだろうというツッコミは入れなかったが、自転車に何も書いてないんだから、困ったんだろうな。